2014年9月22日月曜日

明日は誕生日。57歳になる。ずいぶんと体も弱ってきた。
昼寝の習慣は無かったが、ここ数年は昼寝することも多くなった。昼寝をすると一日が2回あるようで得した気分になる。
ずいぶん以前に読んだ歴史の本によると、古墳時代頃の一年は今の半年だったのでは、という説があるそうだ。つまり冬至から夏至までが一年、夏至から冬至までがまた一年という具合だ。今の一年は古代では二年であったということだ。
古事記を読むと古代の天皇は160歳で崩御したとか、120歳で崩御などと書いてあるが、この説に従えば160歳というのは80歳のこととなって納得出来る。
今が古墳時代とすると、私は現在114歳。そして昼寝して一日を二日分味わえば、一年は730日で114年間生きてきたということだ。こんなバカみたいなことを空想しながら「トシをとりました」とつぶやいている。

2014年8月29日金曜日

11月15日まで、カトリック東京大司教区カテドラル構内スペースセントポールで絵の展示をしている。15人の神父と大司教、司教、合わせて17人の肖像画。
結構いい展示になったかなと思い込んでいる。期間が長いので時々新しい絵と替えようと思っているが、9月10月は出版の仕事で忙しいので絵が描けるかどうか心配だ。
新しい絵はイメージがだんだんに頭の中で出来つつある。もうちょっと。今までの絵ももっと描き込めば良かったかな。
オルセー美術館展を観てきた。本場の油絵は全然違うことに改めて感動。私も水で溶く油絵の具でもたまには使ってみようかと思う。
これからいろいろ描いてみよう。
再び神父が帰天した。正に木が枯れるように、96年生き続けた老木が真夜中に眠りながら、ふっと去ってしまった。
12歳で親元を離れ教会の中で一人で生きてきたそうだ。その最後の2年間を見ることが出来た。神父が大切にしていたアルバムの中に、偶然にも私の祖母の写真を見つけた。たぶん私が小学生くらいの頃の写真だろう。もしかしたらあの頃一度くらいは会ったことがあるのだろうか。
20歳前後の頃、カテドラルの元旦のミサに親父と行ったことがある。帰りの車の中で親父がふいに「今日の神父は名前が金の蔵って書くんだぜ。おぼえておけよ」と言っていた記憶がある。そんな巡り合わせもある。この神父の絵は何枚も描いた。

2014年8月1日金曜日

神父の臨終に立ち会った。夜、駆けつけるとすでに呼吸は停止。心電図が最後に少しだけ反応したように見えた。荘厳というでもなく、あっけないというでもなく。
目を閉じた顔を見ながら司馬遼太郎の正岡忠三郎の葬儀での弔辞を思い返していた。「苦しみの肉体、すでに無し。その魂のかぎりなくしあわせならむことを祈り、信じ、その大いなる魂に習いて、限りある世を誠実に生きることをここに思う。」
柄にもなく、限りある世を誠実に生きる、という言葉を何度も思い返していた。


2014年7月10日木曜日

いよいよ明日、展示のための飾り付け。横一線に並べるか、ランダムに並べるか迷うところ。神父たちをどういう順で並べるか。今夜一晩悩んでみよう。展示したら写真も撮ろう。あれこれ考える時間が楽しい。嫌なこと、避けたいことをすべて忘れて。

2014年7月4日金曜日

祈る、ということは祈りの言葉が大切なのではない。祈ることそのものが大切なんだろう。「あなたのために祈っていますよ」という一言にどれほど勇気づけれられることか。
これから良くなる。失うもの、捨てるもの、あきらめるもの。たくさんあるけど、きっと得るものもそれに匹敵するほど多いだろう。
若い頃は何事も無い平坦な人生はつまらないだろうと思っていた。あの頃は平坦な人生ってどんな人生を想像していたのかな。つまらない人生なんてきっと誰にも無いんだろう。
これから大きく変わるかも。

2014年6月25日水曜日

幸いなるかな心の貧しき者よ、天国はその人のものなればなり
はじめに言葉あり、言葉は神なりき
明日のことを思い煩うな。一日の苦労はその日一日だけで十分である。


どんなに良いこともどんなに悪いこともいつかは必ず終わる。季節が過ぎるように。
だから、良い時も悪い時もそのときをよく味わっておくのがいいのだろう。
毎日を楽しく、出来るだけ時間を無駄にしないで過ごせたらいい。
時間を無駄に過ごす事は人生をすり減らすということ。ただ、無駄にしないように無駄にしないようにと思って過ごすのも良くないようだ。絵の中にも描き込まずにサラッと流すところも必要なように。




半世紀ぶりの展示

7月12日、およそ26年ぶりで絵を展示する。一年かけて17人の神父たちの肖像を描いた。鉛筆と色鉛筆、水彩とアクリル絵の具、木炭を使った。最初の頃は鉛筆だけ使って、さらに擦筆でケント紙が焦げるんじゃないかと思われるほど擦って色を出していたが、ここ数カ月は水彩色鉛筆を使うことが多くなり、擦筆はほとんど使わなくなった。だから最初の頃とは絵の感じが違っている。
水彩画が自分に向いているように思う。特に水彩色鉛筆は使いやすいし顔の陰影なんかは繊細に描くことが出来る。何とか人に見せられるものが出来たと思っている。
全部で25枚ほど。どうやって展示しようかとあれこれ考えている。
50代後半になってやっと自分の道が見えたと思う。ここから新しい人生を切り開くことが出来るかも知れない。